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【第19回】気になるからだの危険信号 痛み - 胸痛 -



急に胸が痛くなると、皆さんは心臓病を連想しませんか? 実は、「胸痛=心臓病」ではなく、心臓とは関係のない原因で起こることも多いのです。しかし、胸痛は重要な病気のサインである可能性が高いので、もし、急に胸が痛み出したら、その痛みの種類や位置、伴う症状に注意しておきましょう。


1.胸痛の部位から考えられる病気

部位
特徴
伴う症状
疑われる病気
前胸部
発熱やせき、喉の痛みなど、かぜのような症状の後に激しい痛みが起こる
深呼吸やせきをすることによって痛みが増す
呼吸困難
発熱
心膜炎
胸から背中
突き抜けるような激しい痛み
血圧が上がる
解離性大動脈瘤
脊髄から肋骨
深呼吸、せき、大きい声などによって痛みが増す
 
肋間神経痛
一定していない
チクチクと痛み、数時間から半日続く押すと痛んだり、さするとおさまったりする
動悸
不整脈
呼吸困難
心臓神経症
背部
呼吸をすると痛みが強くなる
せき
たん
息切れ
動悸
呼吸困難
胸膜炎



心膜炎

心臓を包んでいる 「心膜 」 という薄い膜に、ウイルスによって炎症が起こる。

心膜炎

解離性大動脈瘤

大動脈の血管の内膜に裂け目ができて血液が勢い良く流れるために、膜がはがれてしまう。

肋間神経痛

脊椎の病気や帯状疱疹が原因でおこることが多い。
水痘(水ぼうそう)に初めて感染したときのウイルスが体の神経節に潜んでいて、高齢などによって体の抵抗力が落ち、免疫力が低下したときに再び活動し始め、肋間神経を刺激し、胸痛を引き起こす。

肋間神経痛

心臓神経症

心臓に異常はないが、精神的な問題等によって呼吸困難、不整脈などを生じる。狭心症の痛みとは明らかな違いがある。

心臓神経症の症状

心臓に器質的な異常がないにもかかわらず、下記のような症状が起こる。

心臓神経症の症状

狭心症と心臓神経症の違い
 
狭心症
心臓神経症
症状
運動中・就寝中(明け方)
・ 胸全体や背中など、広範囲
・ 締めつけられるような痛み

5~10分程度
何もしていないとき
・ 左胸がチクチク、ズキズキ痛む
・ 圧迫感

数秒~1日中
検査
異常あり
異常なし
原因
冠動脈の動脈硬化やけいれん
ストレス
不安感
不眠症



胸膜炎

細菌やガンが原因で胸膜に炎症が起こり、胸水の量が増えて胸膜控にたまる。

 

2.狭心症と心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞

狭心症と心筋梗塞

狭心症・心筋梗塞の特徴
 
部位
性質
伴う症状
狭心症
ほぼ中央の前胸部
胸が圧迫されるような痛みが1~5分続く
胃の不快感
肩や首のしびれ
心筋梗塞
左胸の中心部から胸骨
狭心症よりも激しい締めつけられるような
痛みが数時間続く
不整脈
呼吸困難
吐き気
冷や汗



狭心症の痛み

狭心症の痛み

胸の中央に圧迫感がある、胸が締めつけられる等の症状は典型例だが、胸以外にも 肩、腕、あご、歯、みぞおち、背中 などが痛むこともある。

狭心症・心筋梗塞の予防

狭心症・心筋梗塞は冠状動脈が狭くなったために血液の流れが悪くなって起こります。
次の点に気をつけて動脈が狭くなるのを予防しましょう。

 ・高血圧
 ・高脂血症
 ・喫煙
 ・肥満、糖尿病
 ・ストレス、過労
 ・遺伝

出典:日本成人病予防協会

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