補聴器を装用するとすぐに昔のようなきこえが蘇るというわけではありません。耳は感覚器官ですので調整がきちんと行われても、補聴器の音にはすぐに順応できません。少しずつトレーニングを重ね、補聴器の新しい音になじんでいきましょう。
最初から補聴器を長時間使うと、疲れが大きいものです。だんだんと時間をのばすようにし、疲れたら補聴器を耳から外して休みましょう。
ご自身が聞きたいと思う音に意識を集中して、補聴器に耳をならしていきましょう。チャイムの音や新聞をめくる音、扉のしまる音など、今まで聞こえなかった生活環境音に耳をすませてみるとよいででょう。
補聴器を装用するとご自身の声が少し違ったように聞こえます。新聞や好きな本を声を出して読み、ご自身の声が補聴器を通してどのように聞こえるか確認してみましょう。
まずは呼びかけて、それから話しかけてもらいましょう。例えば「食事はまだですか?」と訊くときも「お母さん(一息いれて)、食事はまだですか?」と話しかけてもらいます。
はじめに呼びかけてもらうと注意が向き、その後の会話に集中しやすくなります。静かなところで、 一対一で話してみましょう。
向かい合ってゆっくりはっきり話してもらいましょう。
次第にいろいろな音に耳を傾けるようにしていきます。だんだん慣れてきたら4~5人のグループの会話を聞き、どの人が話しているのか注意して、ご自身も会話の中に参加するようにしてみましょう。慣れてきたら、いろいろな 音を聞いてみましょう。