戦後間もない物資の少なかった時代、創業者の藤本信夫は、木材、野球の軟式ボール、自転車のチェーン、車のハンドル等の材料を集めてきては組み立てることを繰り返し、1954年、ついに世界初の量産型マッサージチェア第一号機「フジ自動マッサージ機」を完成させました。
「もみ」のみのマッサージ機能が搭載され、側面に取り付けられたハンドルをまわせば、もみ玉が上下に移動するシンプルな構造です。この第一号機は、「人の手や道具を使って、たたく、揉む」という従来の概念を打ち破り、「椅子に座れば機械がマッサージしてくれる」という画期的な商品となりました。
銭湯や温泉旅館から、家庭、そして世界へと広く普及し、人々の健康を支え続けるマッサージチェア。第一号機は、その原点なのです。
フジ医療器のマッサージチェア第一号機は、マッサージチェアのルーツとして象徴的な存在であり、歴史的意義がある貴重な文化遺産であるとして2014年8月7日に「機械遺産第68号」に認定されました。
機械遺産の認定は、一般社団法人日本機械学会が、歴史に残る機械技術関連遺産を大切に保存し、文化的遺産として次世代に伝えることを目的に、日本国内の機械技術面で歴史的意義のある「機械遺産」として認定するものです。
寸法 | 約 幅710×奥行き870×高さ1,300(mm) |
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重量 | 約 64kg |
動作 | もみ |
外観部材 | 木製 |
もみ玉材質 | ウレタン |
現在の所在地 | フジ医療器の大阪工場にて保管(非公開) |
マッサージチェアの歴史はフジ医療器の歴史。
1954年から半世紀以上にわたり、めまぐるしく発展を遂げてきたマッサージチェアの軌跡をご紹介しております。