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フジ医療器の健康管理コラム

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【第5回】コレステロールの検査Ⅱ


1.高コレステロール・中性脂肪が原因で起こる病気


血中脂質検査でコレステロールや中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸が1つでも基準値を上回った状態を「高脂血症」といいます。
高脂血症は、普段は特に症状がありませんが、放置してこの状態が長く続くと「動脈硬化」を引き起こします。
また動脈硬化が起これば、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを起こす危険性が高くなります。

①主に高コレステロールで起こる病気
<高脂血症>

型 
血清外観
リポ蛋白
①コレステロール
②中性脂肪
特 徴
上層乳濁
下層透明 
CM(カイロミクロン)増加
①正常~増加
②激増
中性脂肪だけが増加しているタイプ
食事からとる中性脂肪が多いことが原因のため、「脂肪の摂取を控える」「食物繊維の摂取を増やす」ことが大切 
Ⅱa
透明
LDL増加
① 激増
② 正常
総コレステロール値だけが高いタイプ
「低エネルギー食にする」「魚油や植物油を多くし、肉の脂を少なくする」「コレステロールの摂取を抑える」「食物繊維の摂取を増やす」ことが大切 
Ⅱb
わずかに混濁
LDL増加
VLDL増加 
① 激増
② 増加
コレステロールと中性脂肪の両方が増加しているタイプ
Ⅱa型とⅣ型の対策が必要 
混濁
VLDL増加
① 正常~
② 増加
肝臓でつくられる中性脂肪が多くなっているタイプ
「低エネルギー食にする」「甘いものを制限」「禁酒する」ことが大切 

※血清外観…採血したての血液を試験管に入れたまま放置して、遠心したときにできる上層部の半透明の液

 

<高脂血症から起こる動脈硬化>
血液中の脂肪が多いと酸化したLDLが血管内膜の白血球の一種に食べられて、粥状(じゅくじょう)アテロームをつくります。粥状アテロームは柔らかく、被膜が破れやすいため、破れると出血を起こし、血栓を生じやすくなります。糖尿病、高血圧、肥満などを合併しているとアテロームの形成速度は速くなります。

高脂血症から起こる動脈硬化

②主に高中性脂肪で起こる病気
<脂肪肝>
●脂肪が溜まる仕組み

コレステロール・中性脂肪の診断基準

肝臓でつくられた中性脂肪はたんぱく質と結合し、VLDL(超低比重リポたんぱく)となり全身に運ばれます。
脂肪食の摂り過ぎなどで体内に過剰に脂肪が取り入れられて中性脂肪がたくさんつくられると、VLDLをつくるスピードが間に合わなくなり中性脂肪が肝臓に溜まります。こうして「脂肪肝」になります。


2.高コレステロール・中性脂肪の治療



高脂血症


脂肪肝
①エネルギーの摂り過ぎに注意する 
体重が1kg増えると総コレステロール値が10mg/dl増えるという 

②脂肪の量と種類に注意する 
肉や乳製品中の動物性脂肪の摂り過ぎに注意する 

③コレステロールを多く含む食品を制限する 
卵やレバーなどの摂り過ぎに注意する 

④食物繊維を多く摂る 

⑤たんぱく質の種類に注意する 
大豆などの植物性たんぱく質の摂取 

⑥糖質・アルコールを控える 

<肥満の人> 
①1日均等に食べる
②夕食後の飲食はやめる
③適正エネルギー量を守り、栄養をバランス良く摂るなど、
肥満解消のための食事

<アルコール性脂肪肝の人>
①禁酒・節酒 
目安 1日に日本酒で2合、ビールで大瓶2本、ウィスキーでダブルで1杯 
②たんぱく質を多めに摂る 
中性脂肪をリポたんぱくとして血液中に送るために必要 

これらの食事療法に加えて、運動療法を併用することで、食事から取り入れた脂肪や糖質をエネルギーとして燃焼させ、余分な血液中の脂肪を減らす効果があります。


出典:日本成人病予防協会

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